Tha se kano vasilissa (1964) [DVD] (Greek movies)

Nice

以前観たDVD版では充分に伝わらなかった色彩や細かなデティールが劇的に鮮明となった事で、細部までこだわった衣装や軍装品、車両を始め、セットを飾る多種多彩な小道具の数々などから、美術スタッフの繊細かつ職人芸的な執念と情熱が、ビシビシと画面から感じられます…室内シーン以外、ほぼ全ての画面に奥行きたっぷりに配された贅沢なエキストラ(Ⅾ･ラウレンティス制作の史劇や、モス･フィルムの戦争物もかくやの物量です…)の姿も、よりはっきりと映っていて、｢CGでは無い!! 全て実写なんだぁ…｣という事に改めて感動です…

不満なし

あの素晴らしいノーラン版（たまたま邦題が同じなだけだが）観た後で、印象がどう変わってるかと思い購入。そんで何が魅力だったかって、ベルモンドが寄る辺なくウロウロするのがいいんだな。戦争映画の定義はよく知らんが、戦争状況によって先鋭化された青春/探偵ものとでも考えればやっぱり良い。ノーラン版のほうは現代的なオプティミズムを前提とした抜差しならない脱出劇だったけど、こっちにはノンシャランスとペシミズムがあって、文芸的にはこっちのが深いと思う。特撮は圧倒的に負けてるけど。原作『ズイドコートの週末』読みたくなったけど絶版なんですね・・

ジャンポール・ベルモンドと言うこの時代のスター主演のため、日本で言う石原裕次郎主演見たいだが情緒やストーリー、音楽で近年に公開されたダンケルクより良い。